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聖護院皮膚科クリニック
京都市左京区
聖護院山王町33
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朝日新聞掲載記事

紫外線アレルギーの予防法は

48歳女性。20代で紫外線アレルギーと診断されています。今年4月中旬に日焼け止めを塗って外出したのに、赤い湿疹が目の周りや耳、腕にでました。皮膚科ではステロイドの塗り薬が処方されますが、副作用が心配です。予防法や対処法を教えて下さい。(兵庫県・T)

−紫外線アレルギーとは。

皮膚に紫外線が当たることで皮膚内外の物質が化学変化してアレルギー性の皮膚症状を引き起こす「光線過敏症」の一つです。化学変化を起こす原因物質は、のんだり塗ったりしている薬品などによる外因性の場合と、代謝などで体内にできた物質による内因性の場合があります。どちらにせよ、湿疹ができる人もいますし、じんましんができる人もいます。

−原因物質はわかるのでしょうか。

保険が適用される「光線テスト」で分かる場合もあります。様々な波長の光線を皮膚にあて、症状を起こす光を特定する検査です。薬など外因性が疑われるときはその薬を塗った部分と塗らなかった部分に特定できた光をあて、症状の有無で原因物質かどうか診断します。原因の薬などがわかれば、その使用を避けることで予防できます。この方の場合は20代から症状が続いているため、内因性の可能性が高いと思われます。その場合は衣類や日焼け止めで皮膚に紫外線があたらない工夫で対処することになります。

−日焼け止めを塗っても症状がでるようですが。

春先から初夏にかけては、冬の間に白くなった肌に光への抵抗性がないため、特に症状がきつくなります。日焼け止めも紫外線の防止効果を示すSPFやPAの値が最も大きい商品を使って下さい。SPFでは50+、PAでは+++を選んで下さい。この方の場合、十分に塗れていない可能性があるので、汗をかいたり、水を浴びたりしたら塗り直すなど、こまめな対応が大切です。日焼け止めの塗り方なども皮膚科の医師に相談するといいでしょう。

−それでも、湿疹がでたらどうしましょう。

湿疹が出たらステロイドの塗り薬を用いることもあります。副作用を心配されていますが、医師は症状や塗る場所、年齢まで考えて薬の種類や量を決めますので指示に従って下さい。症状がきつければ抗ヒスタミン剤を内服することもありますが、医師に相談して下さい。

2007年6月24日 朝日新聞